デジタルパーマの失敗例
デジタルパーマは通常のパーマよりも強くしっかりとしたクセがつき、長持ちする上にスタイリングも簡単と、長所の多いパーマです。しかし仕上がりに対する期待が大きい分、「期待した程じゃなかった」「全然パーマがかからなくてすぐにとれた」「パーマがかかりすぎてしまった」などの失敗談も結構耳にします。
実際にどういったトラブルが起こり得るのか、具体的な失敗例とその原因・対策を紹介します。
ケース1「パーマがかからない、かかりが悪い」
◆事例1
デジタルパーマをかける前に美容師さんから、「お客さんの髪質ではパーマはかかりにくい。結構強めにかけるけどあまりクセがつかないかもしれない」と言われました。それでもかけてもらいましたが、結果はやはりあまりパーマっぽさが出ない仕上がりになりました。
原因と対策
これはパーマをかける前からかかりにくいことが施術者(美容師)にも分かっていたケースです。
パーマがうまくかからなかった主な原因は「髪質」です。また、施術者の技術があまり高くなかったこともあります。
一般的に太く硬い髪、クセが極端に強い髪にはパーマがかかりにくい傾向があります。中には柔らかいストレートヘアであるにもかかわらず、どんなパーマもかかりにくい人もいます。
ただし、全くパーマがかからない髪というものはありません。薬剤の選定と放置時間の調整次第でパーマはかかります。問題はいかにして経験豊富で技術力の高い施術者を見つけるかです。
デジタルパーマは通常のパーマよりもパーマがかかりやすいのは間違いありませんが、事前に「かかりにくいかも」と言われた時は他のお店を探す方が無難です。パーマに失敗すれば高いお金を無駄にした上、髪も無駄に傷んでしまいます。
また、どんな種類のパーマが向いているのか聞いてみるとよいでしょう。パーマには相性がありますので、自分に合ったパーマがあるならそちらも検討しましょう。
髪質を見て「〜のほうが良いですよ」と提案してくれる施術者が一番ですが。
◆事例2
これまではずっと普通のパーマだったが、今回は長持ちすると評判のデジタルパーマをかけてもらった。
施術直後はきれいにかかっているように見えたが、3〜4日経ってからパーマが取れ始め、2週間ほどで元の髪に戻ってしまった。
アフターケアでパーマをかけ直してもらえるだろうか?
原因と対策
これは今まで問題なくパーマがかかっていたのに、デジタルパーマに変えたら全然持たなかったという失敗例です。
エアウェーブは「ふんわり自然な感じ」、デジタルパーマは「強くしっかりとしたクセがつく」など、パーマの種類によって仕上がりの質感の違いはありますが、デジタルパーマが普通のパーマよりもかかりが悪い、長持ちしないということはまずありません。原因は施術者の技術にあります。
デジタルパーマはしっかりとしたクセがつき、長持ちしやすい優れたパーマですが、誰がかけても無条件で良い仕上がりになる訳ではありません。これは他のパーマでも同様です。
デジタルパーマは細かい温度管理が可能な専用マシンを用いますが、毛髪診断からそれに合わせた温度管理まで自動的にやってくれる訳ではなく、マシンを扱う美容師が客の髪質や髪の痛み具合を正しく見極め、それに合った温度管理、薬剤選定を行う必要があります。ここが適切に行われなければデジタルパーマの長所が活かされず、宝の持ち腐れになってしまします。
デジタルパーマが注目された時期に、多くの美容室がこぞってマシンを導入しましたが、経験・技術不足から十分に使いこなせていない施術者もいます。評判の良いお店で、腕の良い美容師に施術してもらうことが大切です。
また、アフターフォローがしっかりしている点も重要です。施術後は数週間程度の保証期間を設けているお店が多いので、保証期間と保証内容をしっかりチェックしておきましょう。
施術後にすぐにパーマが落ち始めた時は、様子を見るよりもなるべく早めに相談するようにしましょう。保障期間内であれば無料でパーマのかけ直しやパーマ落としをしてもらえますが、期間ギリギリだと言い出しにくいですし、ちょっと嫌な顔をされることもありますので早いほうが良いでしょう。
ケース2「パーマがかかりすぎる」
◆事例1
パーマを長持ちさせたくてデジタルパーマをかけてみた。パーマがしっかりかかり、髪の痛みも少ない。でもちょっとかかりが良すぎる。指でくるくる巻いて乾かしただけで縦ロールになってしまう。ゆるふわな感じにしたかったので少し残念。
原因と対策
これはパーマの種類を選ぶのに失敗した例です。
デジタルパーマは形のしっかりした弾力性のある大きめのウェーブやカールがかかります(参考:デジタルパーマの特徴)。ふんわり自然な感じは出しにくいので、そうした場合はエアウェーブなどを選びましょう。
◆事例2
デジタルパーマをかけたが最悪な仕上がりになってしまった。大きいカールが良かったのに、小さいカールが無数にかかり、髪の一部はチリチリになっておばさんパーマみたいになってしまい大失敗。
原因と対策
髪がひどく痛んでいたり、猫毛だったり、シャギーを入れるなどして毛先が極端に細くなっている髪にデジタルパーマをかけると、大きなカールがかからず事例のように小さく強いカールがかかったり、髪がチリチリになりやすいです。
デジタルパーマは傷んだ髪でもかけられると言われますが、それは適切な温度管理と薬剤選定がなされることが前提です。デジタルパーマの施術経験が多い美容師ばかりではありませんので、経験不足な施術者の場合、チリチリ・ビリビリの髪になる可能性があります。
適切なヘアケアを行い、髪に栄養を与えてしっかり補修するなどの対策をしてからかけるべきでしょう。
ケース3「希望通りのスタイルにならない」
◆事例
ヘアカタログ雑誌を持参して、同じスタイルにして欲しいとデジタルパーマを依頼したが、全く違う仕上がりになった。施術後のスタイリングの時点で明らかに希望とは違う出来だったが、長時間の施術で疲れ果て、何も言わず帰ってきてしまった。
美容師は写真をざっと見ただけで、パーマやスタイリングの詳しい解説までは読んでない様子だった。最初はベテランだから写真だけで理解したのだろうと思ったのだが…
原因と対策
デジタルパーマに失敗したのではなく、客と美容師との意思疎通がうまくいかなかったために希望どおりの仕上がりにならなかったという失敗例です。
髪質には個人差があるのでサンプルと全く同じにするのは難しいですが、近いスタイルにすることは可能です。そのためには、施術者に全て任せるのではなく、自分も一緒になって良いスタイルを作ろうという心構えを持つことが大切です。
納得のいく仕上がりにしたいなら、「希望のスタイルについて事前に可能な限り調べておく」、「表現できる範囲でしっかりと自分の意向を伝える」くらいのことは行うべきです。
「素人だから細かいことは分からない」、「あまり細かい注文をすると迷惑なのではないか」などと思う必要はありません。施術者にしても「思ってたのと違う」と後からあれこれ言われるよりは、事前にできるだけ意向を伝えてもらうほうが有り難いのです。
どうしても仕上がりが気に入らずパーマを落としたい場合、選択肢としては縮毛矯正をかける以外にありません。
デジタルパーマは形状記憶力の強いホットパーマなので、一度しっかりクセがついてしまうと、パーマの掛けなおしによるスタイル変更が出来ず、縮毛矯正でストレートヘアにするしかありません。デジタルパーマがかからなかった(かかりが弱かった)場合なら再度かけ直すことができます。
保証期間を設けているお店なら無料で施術してもらえますが、いずれにしても2回パーマをかけることになるため髪の痛みは大きくなります。