頑固なくせ毛や天然パーマは、髪を自由にスタイリングするのを妨げます。
酷いくせ毛は通常のドライヤーのブロ−と整髪料によるセットではあまり効果がなく、特に湿度の高い日は、朝しっかりスタイリングした髪も半日も保たずに崩れてしまいます。
髪にクセが生じる原因を認識し、有効なくせ毛対策を考えましょう。
<目 次>
【関連項目】
くせ毛・天然パーマの原因には、生まれつき髪にクセが付いている「先天性」のものと、日常の生活習慣等によってクセが生じる「後天性」のものの大きく2つがあります。
生まれつきのくせ毛の原因は、主に「毛髪」と「毛穴」にあります。
毛髪の主成分はケラチンと呼ばれるタンパク質です。このタンパク質が結合することで毛髪の形状が維持されています。毛髪がまっすぐな状態で結合していれば直毛に、曲がった状態で結合していれば縮れ毛(くせ毛)になります。
タンパク質の構造は遺伝子で決まっているため変化することはありません。
2つ目の原因が毛穴の方向によるものです。
毛穴が皮膚に対してまっすぐ上を向いていると、毛発もまっすぐ直毛になります。毛穴が斜めにカーブしていると、毛髪も曲ってクセが生じます。斜め方向の毛穴が多いほど、くせ毛の数も多くなります。
これら2つは遺伝性の要因のため、食生活や環境改善で変化させることはできません。
一般にくせ毛の7〜8割が先天性のものであると言われています。
日常の生活習慣の影響で髪質が一時的に変化することがあります。
以前は直毛だったのにいつの間にかくせ毛が増えていたり、ある時期からくせの程度が酷くなったりした人などが該当します。体質が大きく変化してしまうと、元の髪質に戻らないこともあり得るため注意が必要です。
総じて不規則・不健康な生活習慣はくせ毛の悪化につながると言えるでしょう。
吹き出物(ニキビ)が増えたり、肌が脂ぎってきたり、口内炎ができたり、眠気や倦怠感、慢性疲労を感じたりなど、心身に普段とは違う変化や不快感が生じた時は要注意です。
毛髪の構造や毛穴の向きなど、生まれつきの原因によるくせ毛はを根本的に治す方法はありません。
しかし、現在生えている部分を直毛に近づける方法ならいくつかあります。
後天性のくせ毛は主に生活習慣の乱れが原因となっています。そのため、前述した先天性のくせ毛に対する対処法と合わせて、生活習慣の改善も行っていきましょう。先天性のケースと違い、適切な対策を行えば元の髪質に戻すことができます。
睡眠・栄養・運動の三要素を充実させ、ストレスはため込まずに上手く発散させることが重要です。
一般に健康的で規則正しいとされる生活習慣を送るよう心がけましょう。
くせの強い髪や天然パーマの場合、日常的に適切な髪のケアを行うことで髪をセットしやすくなり、朝のセット・スタイリング時にクセをしっかり矯正すれば、一日のヘアスタイルの持ちが良くなります。
重要なポイントを解説します。
髪が傷んでいたり、汚れていたり、皮脂が多くついていたりすると、ドライヤーでブローしたり整髪長を使ってもスタイリングが上手くいきません。
シャンプーやコンディショナーで髪は常に清潔に保ち、十分にハリ・コシがある状態にしておきましょう。
初めに髪をしっかりと濡らしてクセをとります。クセのある部分だけを軽く濡らすよりも、髪全体をシャワーなどでしっかりと濡らした方がクセがしっかりとれてスタイリングしやすくなります。セット前にシャンプーやトリートメントも行うとより効果的です。
くせ毛の矯正効果で順位をつけると、
といった具合です。
汗を大量にかく夏場などを除き、前日の夜と翌朝の2回シャンプーを行うと洗いすぎになりやすいため、朝シャプーをするなら前日夜はシャンプーしない方が良いでしょう。
洗髪後はタオルで髪の水分を十分にとります。
この際、髪をタオルでこするようにすると髪が痛みます。こするのではなくタオルを髪に押し付けて水分をタオルに吸収させるようにしましょう。
濡れた髪をドライヤーでブローして乾かします。
髪は乾いた時の形状が維持されるため、どう乾かすかがセット・スタイリングにおいてとても重要です。
特に重要なのが髪の根元です。髪にボリュームを出したいなら、クシで髪の根本ををしっかり立たせた状態で、毛先だけでなく根本まで乾燥させます。逆にボリュームを抑えたいなら、根本を寝かせた状態で乾燥させます。
くせ毛を矯正するには、髪がまっすぐになるようクシでゆっくりとかしながらドライヤーで8〜9割方乾かし、最後に温まった髪に冷風をあてて冷やします。これによりキープ力が強まります。
ブローを終えた時点で自分のイメージするスタイルがある程度出来上がっているのが理想です。
※高熱は髪を痛めてクセを酷くするので、ドライヤーはなるべく髪から離してブローしましょう。
出来上がったスタイルを一日維持するため、最後に整髪料を使ってスタイルを固定します。
整髪料は髪全体にベタベタと塗るとせっかく作ったスタイルが崩れてしまいます。スプレータイプの整髪料を使ったり、ムースタイプのものをクセの強い所にピンポイントで使うとナチュラルな感じが出て効果的です。
整髪料が頭皮や毛穴に付かないよう、根元付近にまで使うのは避けましょう。
クセが強い髪には髪を挟み込むタイプのヘアアイロン「ストレートアイロン」も使う方法もあります。
矯正効果は強いですが、髪が高温になるためどうしても髪が痛みます。使用する場合は毎日のヘアケアを欠かさないようにしましょう。