クリープパーマとは
パーマ剤の作用のみによって施術する通常のパーマ(コールドパーマ)は、パーマ1剤(還元剤)によって毛髪内の各種結合を切ることで、髪を柔らかく、加工できる(クセをつけられる)状態にし、ウェーブやカールをつけた後で、パーマ2剤(酸化剤)によって再度結合させて元に戻すという手順を踏みます。
クリープパーマも基本的な手順や使用薬剤はコールドパーマと一緒です。違うのは「毛髪内の結合を切る→再結合」の過程でクリープという現象を発生させる点です。
1.クリープとは
クリープとは簡単に言えば毛髪内で物質がスムーズに効率的にストレスなく動ける状態のことです。クリープ状態を作り出すことで、少量のパーマ剤でも十分にクセを付けることができ、また髪の内部構造が安定するためパーマが強くしっかりかかります。
通常クリープ現象は、一定の環境下で、ある程度時間が経てば発生するのですが、それでは時間がかかりパーマ剤の浸透時間も長く痛みも増すため、スチーマーを使ったり、蒸しタオルを巻いたり、遠赤外線を使ったりしてクリープが発生しやすい温度と湿度を作り出し、短時間で施術します。
◆最新のクリープパーマ「エアウェーブ」
クリープパーマの種類によっては次に「ガラス化」という手順を踏みます。
クセのついた髪を冷やして常温状態にするのですが、髪は温度が低下すると硬質のガラス状態になります。これが「ガラス化」です。髪のクセがしっかり固まった状態で2剤を浸透させて再結合するため、通常のパーマよりもしっかりとウェーブやカールがかかります。
専用のマシンを使って温風により温度と湿度を適切に設定・管理し、クリープ状態やガラス化を実現する最新のクリープパーマがエアウェーブです。「第3のパーマ」とも呼ばれます。
2.クリープパーマの特徴
クリープパーマには以下のような特徴があります。
- 髪の痛みが少ない
- カールやウェーブがしっかりかかり、パーマの持ちと再現性がよい
- 髪が濡れた時でも乾燥時でも髪の状態にあまり変化がない
- 髪がなめらかな手ざわりになる
- パーマの施術時間が短い
3.クリープパーマのかけ方・施術手順
おおまかな手順・やり方を示します。
- 整髪(カットやシャンプー)
- 前処理(ケラチン、トリートメントなど必要に応じて)
- パーマ液1剤(還元剤)を塗布
- ワインディング(髪にロッドを巻く)
- 1剤が髪に浸透したら水で洗い流す
- 加温・加湿で髪をクリープ化
- ウェーブ、カールのかかり具合をチェック
- ドライヤー等で髪を冷やしガラス化させる
- パーマ液2剤(酸化剤)塗布し、放置
- 2剤を洗い流す
- トリートメントとスタイリング
4.クリープパーマの特徴 まとめ
【向いている髪質、髪の長さ】
髪の長さ・髪質は問いません。ショート〜ロングへアまでどんな髪でもかけられます。太い髪、細い髪、クセの強さも問いません。クリープパーマは痛みの少ないパーマですが、痛みの酷過ぎる髪にはかけられないこともあります。
【パーマの持ち、手入れ・スタイリング】
持ちは一般のパーマよりも長めです。期間については髪のくせの強さや美容師の技術、使用する薬剤の種類などでまちまちです。しっかりパーマがあたって毎日適切なケアを行なっていれば3ヶ月〜半年は持ちます。
【施術時間と料金】
クリープパーマは1剤の浸透時間が短くて済む分、一般のパーマより時間がかかりません。概ね1.5〜2時間程度です。値段は一般のパーマより若干高く1万円前後が相場です。髪の長さによって違うサロンもあります。
【その他、注意点など】
美容室やサロンを選ぶ時は、値段よりもお店の評判や美容師の技術を重視しましょう。安いから良くないとは限りません。パーマの経験豊富な知人や口コミからの情報を参考にしましょう。