前項では、セルフカットの長所と短所、必要な準備物などを紹介しました。
ここでは具体的なカット法、失敗しないためのポイント・注意点について解説します。
セルフカットは自分の好きなように髪を切れる反面、適当に切ると取り返しのつかない大失敗をしてしまう恐れもあります。
理想の髪型どころか毎日ブルーな気分で過ごすことにならないよう、大事なポイントはしっかり抑えておきましょう。
<目 次>
【関連項目】
セルフカットで最も重要なことは、「高い技術」でも「上手く切ること」でもなく、「大きな失敗をしないこと」です。
素人が鏡を見ながら見えない箇所も含めてカットするのですから、様々な失敗が起こるのが普通です。ですが取り返しのつかないような大失敗でなければある程度修正できます。大きな失敗を防ぐためのポイントは以下の2点です。
この2点さえ外さなければ、例え初めての方でもそうそう失敗するものではありません。
慣れないうちはセルフカットは意外と時間がかかります。こまめに鏡で確認しながらだと更に手間もかかります。途中で面倒になったり、意外と上手くカットできているからといって途中で調子に乗って一気に切ってしまったりすると失敗します。
また、慣れないうちは、初めは予定よりも髪を長めに残してカットするようにしましょう。その時点で全体の仕上がりを確認し、上手くカットできているようなら更に予定の長さまでカットします。
髪に長さを残していれば、失敗して短くカットしてしまっても切り直しによる修正が効きます。
基本的なカット法について、頭の部位ごとに解説します。
前髪はバリカンで切る方法とハサミで切る方法があります。
バリカンの場合は、カットしたい長さよりも長めのアタッチメントを使用し、額に沿って生え際→頭頂部へとまっすぐにバリカンを滑らせてゆきます。
前髪の長さを均等にするなら、前髪の端から端まで同様にしてカットします。その後、もっと短くしたい場合はアタッチメントも短いものに変えて同じようにカットします。
前髪の長さを部分的に変えたいなら、バリカンで長めにカットした後にハサミを使ってカットします。
前髪をクシや2本の指でつまんでひっぱり伸ばし、毛先をカットします。
使うのは普通の理容ハサミです。
ポイントは以下の2点です。
ハサミを髪とクロスさせるように真横に入れると"ぱっつん"のようになってしまいます。
ハサミを縦に入れると、前髪が少しずつ不規則にカットされるため自然な仕上がりになります。
また、前髪は一番外側の表面の層から切るようにしましょう。表面をカットするだけでもボリュームが減ってさっぱりします。それでも足りない時はより奥の方も同様にカットしていきます。
【参考】
頭の上部(眉から上)のカットの仕方は、単にボリュームを減らすだけなら長めのアタッチメントを付けたバリカンで髪全体を上下左右斜め、あらゆる方向から交差させるようにカットし、刈り残しをなくすようにしましょう。
一通りカットしてみて、もっと短くしたい箇所があれば、タッチメントを少しずつ短くして同様に繰り返します。
サイドはバリカンのアタッチメントを皮膚に当てながら下から上に向かってカットします。
この時、上に行くにつれて徐々にアタッチメントの先を浮かせて外に逃がすようにカットするのがポイントです。こうすると段差ができずに髪のつながりが自然になります。
ここでも失敗を防ぐために、アタッチメントは気持ち長めのものから試し、少しずつカットしては鏡でこまめに確認することを忘れずに。
耳にかかっている髪をカットする場合は、アタッチメントを外したバリカンを使います。
図のようにバリカンを縦にして耳の周りを円を描くようにカットします。難しいならハサミでカットしてもよいでしょう。
もみあげは、ラインを整える場合はアタッチメントを外したバリカンでカットしてラインを作ります。形は変えずにボリュームを減らす場合は、もみあげを引っ張って伸びた分をハサミでカットするか、数ミリ位の短めのアタッチメントを付けたバリカンで下から上にカットしましょう。
えり足(うなじの髪の生え際)から後頭部にかけては、セルフカットでキレイに仕上げるのが最も難しい箇所です。
基本的な切り方はサイドを切る場合と同じで、アタッチメントを付けたバリカンを皮膚に当てながら下から上に向かってカットします。
ポイントも同じで、上に行くにつれて徐々にアタッチメントの先を浮かせて外に逃がすように切ることです。
境目に段差が出来やすかったり、端から端まで同じ長さに揃えるのが難しいため、こまめに横からのシルエットを確認しながら少しずつカットしましょう。
生え際付近のうぶ毛剃りは、アタッチメントを外したバリカンを使い、刃を肌に軽く当てて下から上にやさしく剃りましょう。間違って髪まで切ってしまわないよう、境目に指をあてておくとよいでしょう。